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細田 秀樹
(所長, 教授)
居室: R2棟108室
045-924-5020
E-mail: director(at)first.iir.titech.ac.jp
※(at)を@に置き換えて下さい
未来産業技術研究所の所長を務めております細田秀樹です。平素より本研究所の活動にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合し、東京科学大学が誕生しました。さらに、2026年4月には東北大学に続く国際卓越研究大学として認定され、本学は新たな発展の段階を迎えています。未来産業技術研究所も、本学の研究活動を担う総合研究院の一員として、研究力のさらなる向上と国際化の推進に貢献すべく、新たな歩みを進めています。
本研究所は、機械工学、電気電子工学、材料工学、情報工学、環境・防災工学、社会工学など幅広い分野の研究者・技術者から構成される、本学最大規模の研究所です。そのミッションは、「広い研究領域を背景として新たな異分野融合領域を創出し、実社会に適用可能な技術を開発し、学術および産業に貢献すること」にあります。
現代社会が直面する課題は複雑化・高度化しており、単一分野の知識や技術だけでは解決が困難なものが少なくありません。脱炭素社会の実現、持続可能な産業構造への転換、デジタル技術の高度活用、安全・安心な社会基盤の構築、さらには医療・福祉分野における新たな価値創出など、多くの課題に対して異なる専門分野の知見を結集することが求められています。本研究所は、多様な研究分野を有する強みを生かし、異分野融合研究を通じて未来社会を支える新たな技術や学術領域の創出に取り組んでいます。
本研究所は2016年4月に旧東京工業大学で4つの研究所の一つとして,主に精密工学研究せ所,像情報工学研究所,量子ナノエレクトロニクス研究センター,建築物理研究センターを基盤とし,発足しました。その源流をたどると、1930年代から1940年代に設立された精密機械研究所、電気科学研究所、建築材料研究所、印刷技術研究施設などに行き着きます。長年にわたり培われてきた研究の蓄積と伝統は、本研究所の大きな財産です。こうした歴史の中から、水晶振動子、歯車工学、工作機械数値制御、面発光レーザ、ホログラフィ、複写感光体、光通信用半導体レーザなど、学術的にも産業的にも大きなインパクトを持つ技術が数多く生み出されてきました。
現在も、本研究所では基礎研究から応用研究、さらには社会実装までを視野に入れた研究活動を推進しています。企業との共同研究や産学連携を積極的に進めるとともに、研究成果を社会へ還元することを重視しています。また、毎年開催される研究院公開や未来研セミナーを通じて、研究成果や研究シーズを広く発信し、産業界や地域社会との交流にも努めています。
本研究所の特色の一つが、医療・生命分野との連携です。2016年度から文部科学省ネットワーク型共同利用・共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」の活動を推進しており、広島大学半導体産業技術研究所、静岡大学電子工学研究所、生体材料工学研究所と連携しながら、医学・歯学・工学の融合による新たな研究領域の創出に取り組んでいます。東京科学大学の発足により、工学系と医歯学系が同一大学のもとで連携できる環境が整ったことは大きな意義を持ちます。今後は、これまで以上に医歯工連携を発展させ、新しい医療技術やヘルスケア技術の創出に貢献してまいります。
さらに、AI、量子ナノエレクトロニクス、異種機能集積などの先端研究に加え、コマツ革新技術共創研究所、NSKトライボロジー協働研究拠点、LG Material & Life Solution協働研究拠点などの大型産学連携プロジェクトも推進しています。また、ナノ空間触媒研究コアやデジタルツイン研究ユニットなど、多様な研究拠点を通じて、新たな学術領域の創出と社会課題の解決に取り組んでいます。さらに最近はロート数理CPSイノベーション協働研究拠点やカヤバ データ駆動型機械要素設計革新協働研究拠点など,次々と新たな協働研究拠点も生まれています。
2026年度は、本研究所にとって設立10周年という節目の年に当たります。これまで研究所が発展を続けることができましたのは、多くの皆様から賜りましたご支援、ご指導、ご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます。本年11月には総合研究院公開にあわせて設立10周年記念行事を開催する予定です。
また、本研究所にとって大変喜ばしいことに、元精密工学研究所所長・元東京工業大学学長の伊賀健一栄誉教授ならびに初代未来産業技術研究所長の小山二三夫栄誉教授が、「垂直共振器型面発光レーザの実現・性能向上と応用展開(共同研究)」の業績により、第116回日本学士院賞を受賞されることとなりました。両先生の長年にわたる卓越した研究・教育活動に深く敬意を表するとともに、本研究所関係者一同、大きな誇りを感じております。10周年記念行事では、両栄誉教授による受賞記念講演も予定しておりますので、多くの皆様にご参加いただければ幸いです。
未来産業技術研究所の最大の強みは、多様な専門分野を背景とする研究者が、それぞれの分野で世界トップレベルの研究成果を創出するとともに、分野の垣根を越えて協働し、新たな学術領域や社会課題に挑戦していることにあります。社会貢献と国際協力は本研究所の重要な使命であり、私たちは研究を通じて社会の期待に応え、希望ある未来の実現に貢献してまいります。
今後とも、未来産業技術研究所への変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年4月
未来産業技術研究所 所長
